現在までシリンダーは防犯性能がアップすると大きくなってしまい、結果的にドアから大きく突き出した格好になっていました。高性能になるほど全体の調和が取りにくくなっていたのです。ゼロフラットは自らの存在感を示すことより、むしろ存在感を消す方向を念頭においてデザインすることが必要でした。ドアやドアハンドルのデザインを引き立てる存在でありながら、存在を示す、最初から相反した課題を解決する事が要求されていたのです。
ドアのデザインに調和する「ゼロ」な存在感
ドアデザインの傾向として、装飾的な方向は避けられ、和風でも洋風でもアルミや木目など素材感を活かした平面のデザインが増えてきています。素材感を引き立てたいところに、取り付いている部品の存在感が大きくなっては本来の意図からはずれてしまいます。ゼロフラットはそのような素材感を強調したドアのデザインに対して、有効な解決策といえます。ドアを住宅の個性として表現したいユーザーにとって、存在を消すというデザインを提供しました。
ドアハンドルとのデザイン的融合の可能性
ドアハンドルはドアと人間とのインターフェイスとしての機能の他に、ドアの表情を構成する役割も持っています。ハンドルやシリンダーをドアの表情に例えたら…日常の中に楽しさを感じる事も可能なのでは?しかし、前述した防犯性の向上やユニバーサル性を考慮した時、ドアハンドルは一つの形落ち着いてしまいます。ゼロフラットはそんな状況を打破するべく、ドアハンドルから防犯性に関する制限を緩和することを狙いました。フラットなその形状は、ドアハンドルのデザインにも新しさをもたらす可能性を秘めています。